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烏天狗の不思議な夢の話 (続き)

 「いる!」と、私は思いました。



 「姿こそ見えないが、まちがいなく確かに この座に他の誰かがいる。しかも恐ろしく強靭な念力のようなものをもつ者がいる。修験者のような山伏のような・・・。



 もし、それが私にはいれば、自分に いったいどのような変化が現れるのだろう。はいれば、それがきっと はっきりわかるはず・・・。」



 そう思っていた瞬間でした。おなかの中に、グボッグボッと何か大きな あぶくのようなものが はじけるような感触がありました。



 そして次の瞬間、目の前にあった書の巻物の 文章のうちの三行ほどが、いきなりクローズアップされ ライトをあてたかのように目だって見え 目に飛び込んでくるように感じました。 



 その文章は、「いにしえの・・・」という文字だけは覚えているのですが 他に何が書かれていたかは忘れてしまいました。



 筆で流暢に書かれた行書体でした。



 「人の心が代わることで 目に付くものが こんなに変わるものなのだ・・・!」と、私は驚いていました。



 私が、夢の中でどういう状態になっているのか よくわかりませんでした。私も、輪の中の一人だったのか、それとも輪の中の誰かの心を読んでいたのか。



 ともかく その上に、何かが入ってきたのです。



 「誰かが、私の中に はいっている・・・。」 



 私は、その時 身体のなかに魂が重なっているのを感じました。



 「私は、霊媒体質なんだろうか・・・。」と頭で考えているのとは関係なく、「私」がしゃべりはじめました。



 輪になり座っている者 一人ひとりに 手をつき頭を下げて「私」は、心から頼み込んでいました。



 「私は 今まで 力の限りを尽くして ・・・お守りしてきた。しかし 私一人の力では限界があることを 悔しながら知った。



 どうか おまえたちの力を貸して欲しい。お守りするためには、おまえたちの力が どうしても不可欠なのだ。」 話は、こんな内容でした。



 皆 うなづいて了解していました。しかし、五人目の 若い男は、あぐらをかいたまま 横を向いていました。まだ信じていない様子でした。



 顔をそむけていたので、黒いはちまきのようなものの結び目が見えました。男は、向こうをむいたまま 話を聞いていました。



 「私」が、「頼む!」と再度 手をつき 深く頭を下げました。すると黒いはちまきの男から、ためらいのような感情が流れてくるのが わかりました。



 そうしてやがて 横を向いたまま、足の上の方で 両手を合わせ 小さく上に上げました。了承してくれた合図でした。



 一団に安堵の空気が流れました。そしてまた覚悟や決意それから頼りにされた誇り、そんな感情が流れていました。



 そんな動作を見ながら私は、私に重なっているものの正体が、見えてはいないのに「みえてきた」ことに気づきました。



 それは、今まで見たこともない 人間ではないものでした。



 服装は、山伏のそれに似ていましたが、天狗の着ている着物に似ているようでもありました。下は袴の着物姿で、胸のあたりにボンテンのようなものがついていました。



 帽子のようなものをかぶり、人の姿かたちなのに、なぜか顔に烏のような大きい黒いくちばしがついているのが わかりました。



 肩幅が大きく、その後ろに 大きな灰色の翼がはえていました。その存在は三メートルほどもある大きなものに感じました



 畏敬の念を感じずにはいられないほどの、圧倒的な存在でした。



あたりに満ち満ちた、その存在の恐ろしいほどの強さ、そしてその気配に 「うわあー!」と心の声が叫びをあげて、 そうして夢から覚めました。



  そのあとすっかり忘れていましたので、白峯寺の烏天狗の石像を見て、夢で見たあのただならぬ雰囲気や気配が蘇えり 思わず鳥肌がたってしまったわけなんです。



 

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kenken358

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主に妖精・小人・天使のイラストを描いています。
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